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(にやーり)

なんか駄文を色々と。 まれに隙間情報を狙い撃ちする素振り(風味)のメモや、コントも。

母と子の会話(3)

 
 まぁ、そういう類のコント(漫才)。

 
 

――しゃーこ・しゃーこ‥‥。

客「‥‥何やってるの?」
カニ「あー、いらっしゃれ。見ての通り、包丁を研いでるの」
客「あれ、ほら、研ぎ器あるじゃん」
カニ「アホ抜かせ。ああいう簡易研ぎ器でマトモに刃物が研げるかい。キチンと砥石を使わないと」
客「そういうもん?」
カニ「そういうもん。そういや、この間‥‥デパートの台所用品売り場でね、私と同じくらいの(年齢の)夫婦がいたんだけどさ? 奥さんの方が「今の研ぎ器だと切れない、よく研げないから新しい研ぎ器を~云々~」だとか言ってたけどねぇ‥‥苦笑をこらえるのが大変だったよ」
客「まーた、そういうコトを‥‥」(←こっちが苦笑してる)
カニ「何度[そんならマトモな砥石のセットを買えよっ]と言いたくなったことか」
客「セット?」
カニ「砥石は目の細かさで何種類もあるの。そんで研ぐ時は荒いものから順を追って使っていって細かいので仕上げするの」

――しゃーこ・しゃーこ‥‥。

カニ「――んー‥‥まぁ、こんなもんかな‥‥?」

 包丁を返し、その刃に親指の腹を当て、軽く爪弾くように刃の研げ具合をみる。

客「それ(↑)、見てると怖いよ」
カニ「あのね。これは普通の見方だよ。指で刃の状態をみるのが最も手っ取り早い。そんな指を切って確認するわけでなし」
客「なのかも知れないけどさぁ‥‥」
カニ「こういう刃物は、ちゃんと手を掛けて研いで、確認もしないとね‥‥んー、やっぱり前の部分が今イチだなぁ。仕方ないんだけど」
客「そういえば、なんで、その古い包丁をいつも使ってるの? もっと新しいのがあるじゃん」
カニ「あー‥‥こっちの? ダメだよ、こんなの」
客「ナンで?」
カニ「ちょうどいい、刃物のこと教えちゃる」



カニ「――ほれ。この刃のとこ、よーく見てみ? なんか違いが無いかい?」(←両方持って見せてる)
客「んー‥‥ん? こっちの古いの、刃のとこの色が違わない?」
カニ「そう、ご名答。こっちの新しい方は少し白みがかった金属の単色だけど、こっちの古い方は刃の部分と身の部分とで色合いとか光沢が違うでしょ? これこそ私が、こっちの包丁を使う理由」
客「‥‥ナンで?」
カニ「そもそも刃物ってのは、こういう風に性質の異なる金属の複層構造になってるべきものなの」
客「あらら、そうなんだ‥‥」(←すっかり、いつも通り聞き役)
カニ「もっと言えば、まぁ、本来ならキチンと鍛造されてるモノであるべきなのをこれはそれを工業的に模造しただけだけどさ、それでも、この新しいヤツみたいに片側が尖らせてあるだけの鉄板(金属板)よりはマシ」

カニ「――刃物ってのは、こういう風に‥‥中心部の刃になる部分は硬めの鉄が充てられて、その両側を柔らかめの鉄で挟んでるものなの。あとは、それを熱間鍛造して形作る。そうすることで、鋭さを持ちながら、硬さと頑丈さ、軽さと強さを両立させる刃物になるんだ。ほれ、刀職人とかが石炭とかで赤熱させたのを金槌でトンテンカンって鍛え上げていくでしょ?」
客「あー‥‥うん。なんかテレビとかで見たよ」
カニ「あれだよ。包丁も日本刀も基本は同じ。そりゃ包丁の方が随分と簡易だけどね」
客「‥‥さすが、刃物には詳しいねぇ‥‥」
カニ「そりゃね。もうね、超一流の業物なんて凄いぞー? そういうのを達人が振るった日には、竹なんかを切ってるだけでも、傍で見てるだけでも身震いするね」


カニ「――と、まぁ。この古い包丁は鋼をステンレスで挟んだだけのようなものだけど、それでも尖った鉄板よりはマシってわけ」
客「そんなに違うものなん?」
カニ「無論。こんな模造品のような刃物でも、それでも、ただの鉄板(金属板)に比べれば随分と切れ方が違うよ」
客「その、切れ方ってナニ? よく切れるってこと?」
カニ「ちょっと違うなぁ‥‥切る時の感触って言えばいいかなぁ‥‥手応えとか?」
客「手応えかぁ‥‥」
カニ「これも刀なんかと同じだけど、刃物の扱いってのは、ただ押すとか引くとかじゃなくて、切り始めから切り終わりまで、ずーっと角度・力加減・流し方・動かし方‥‥って微調整を続けながら切っていくものなの。それを瞬時に判断しながら、継続的にやり遂げるのが腕前ってもん。それを判断するための最も大事な情報が手応え」
客「へぇ。やっぱり色々とあるんだねぇ」
カニ「‥‥まぁニンジンとかキャベツを裁断するだけでいいってんなら、あーんまり関係ないけどねぇ‥‥」
客「‥‥ナニを切るつもりなの、何を?!」
カニ「さぁ?」
客「‥‥」
カニ「ナンにせよ、やっぱり、いい手応えの刃物は使ってて気分がいいもんだよ。イマドキのセラミック製なんかも使ったことはあるけど‥‥もうね、切るためのものじゃなくて、切ることができるものでしかなかったね。私が使ったのは。こっちの新しい方の包丁も同じ。切ってて楽しくない」
客「だからぁ‥‥なんかもう人斬りみたいなこと言ってるし」

――まぁ野菜はともかく、肉や魚の場合は多少とはいえ似たような部分もあるかも知れませんが。

カニ「でもねぇ。やっぱり切れ方って言うか手応えが随分と違うんだよ。そりゃー確かに切れ味は鋭かったし役に立たないわけじゃないんだけど‥‥切れてる時の手応えが奇妙で、なんか気持ち悪いの」
客「そんな気持ち悪いってほど?」
カニ「うん。少なくとも私が使ったものの私の感想はね」


カニ「まぁいずれキチンとした包丁でも使ってごらん、感嘆の声を上げるくらい違うから」(←笑顔)
客「そんなもんかぁ‥‥」
カニ「だと思うよ? その違いを判別できるだけの能力を持ち合わせていればね」
客「‥‥我ながら自信が無いんだけど‥‥」
カニ「そう? そんなこと無いと思うけど。私が見て知ってる限りにおいては、目を向けてない・意識が抜けてたってだけで、気付くことができるだけのものは持ち合わせてると思うけどなぁ」

カニ「そのあとは切り方だね」
客「うん、それは前に聞いたね。料理番組とかの先生の包丁捌きでしょ? すーっと引くようにって」
カニ「そうそう。包丁によっても、切るものによっても色々あるけど‥‥まぁ万能包丁なら、その基本を押さえとけばいいと思うよ」

カニ「――包丁捌きを観てれば、その人の腕前は大まかには判るから。斯く言う私も、たまにノコギリみたいな切り方をしちゃうけどね‥‥今イチな包丁だと、そうせざるを得ないってのもあるけどさ」
客「だから研いでたってワケだ」
カニ「そのとーり。ま、かなり腕は落ちちゃってるから一筋縄じゃいかんけど‥‥」
客「それはドッチの腕?」
カニ「切る方。そりゃー研ぎ方も基礎は知ってるけど、元から研ぐ方は専門外だし」
客「切る方が専門ってのもアレだけどね」(←そこらの事情(?)は知ってるので笑ってる)
カニ「刀は得意じゃないもん」


カニ「――ついでに砥石は一般に[荒砥(あらと)]・[中砥(なかと)]・[仕上砥(しあげと)]――の三種類くらいに分類される。そんで、さっきも言ったように粗いものから使っていって、最終的に完成させるわけ。それに、その刃物・包丁の、刀身(?)の構造によっても研ぎ方は色々と違うから……ちゃんと構造に合わせた研ぎ方で、絶妙の加減で行なうと、もう本当に別物みたいな仕上がりになる」
客「へぇ……知らなかった……」
カニ「まぁ知らなくても仕方ないとは思うけどね」

カニ「だから、ちゃんとした包丁なら、日々の手入れは自分でやることにはなるにせよ、たまに――年に1~2回とかかな?――ちゃんとした研ぎ師に頼んで研いでもらうと、それこそ一生モノだよ。本当なら、それも自分でできる方がいいけど、そこまでは、なかなかね……日々包丁を使う料理人なんかだと、ちゃんとした人は、研ぎ師と同等に近いような技術を身に付けてる人もいるけど、そんなにまで多くはないかな」
客「……そういえば、前にテレビで見たような……」
カニ「そうだね。日本料理の板前さんなんかだと、修行時代に研ぎも叩き込まれたりする(場合もある)し……そうやって使い込んだ包丁なんかだと、元々は普通の大きさだったのが、なんか大きめのペーパーナイフくらいまで小さくなっちゃってたりね」
客「あ、そうそう、それそれ! 確かそんなのを見たんだよ。その時は、ふーん……くらいにしか思わなかったけど、そういうことだったんだね……」
カニ「そう。そうすることで愛着も湧くし、より自分の手に馴染むようにもなる(公算が高い)んだよ」


客「――ほんでさ? そういう簡単な研ぎ器はダメなんだよね?」
カニ「うーん……ダメって言うか、単層構造のものの日々の手入れくらいになら役立つって言うべきかな? 先端を V 型に尖らせるくらいしかできないから、こういう複層構造を相手にするとか、あるいは本格的に磨耗しちゃったような状態だと力不足なんだよ」
客「モノは使いようってコト?」
カニ「そういうこと。こういう研ぎ器って、確かに楽だし、技術も要らないから便利だけどね? しかし如何せん力不足」
客「ちゃんとやろうと思ったら、道具を揃えて、技術も身に付けるしかない……かぁ……」
カニ「ある程度はね」

――多少補足するなれば。
 よくある研ぎ器の場合は、やはり日常的な簡易な手入れ・研ぎ‥‥程度と思っておくべきでしょうね。
 またそういう研ぎ器でも砥石でも、そんなに長期間、良好な状態を維持できるわけではありませんし、加えて使い手の使い方(切るもののみならず、包丁捌きなどの腕前を含む)にも大きく左右されます。
 やはり上手な人物が使えば、その刃に掛かる負担・負荷も違ってきますしね。
 ですから毎日‥‥とは言わずとも、数日おきくらいの間隔で研ぐつもりでいないと期待したような効果は無いでしょう。

 念のため申し添えておきますが。
 そういう研ぎ器が駄目だと言っているわけではありません
 あれは、あくまで‥‥そういう簡易な研ぎを手軽に誰にでも、技術を要さずとも行なえるように作られたものだと私は認識しています。
 ちょっと口悪く言えば、十分・十二分の効果は期待できないものの、七分・八分の効果を簡単・手軽に得るためのもの――でしょうか。
 包丁を突っ込んで、じゃこじゃこっと動かすだけで済むのですからね。楽チンです。
 ただある程度まで(以上?)損耗が進んでしまうと対処しきれなくなるので、そういう際には旧来からの砥石で研ぐしかなくなります。ある意味で言えば、状態をリセットするような面もあるのでしょう。

 

テーマ:雑記 - ジャンル:ブログ

  1. 2011/09/03(土) 21:09:03|
  2. バカって素敵だよな
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<きっと同等・類似意見は多数。 | ホーム | 些か不作だったなぁ。>>

 ? ? ? ? ?

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 時に、口調や文体が微妙に適当だったりする場合がありますが、仕様ですね。保証期間も切れてますし、どうにもなりませぬ。諦めてください。
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