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(にやーり)

なんか駄文を色々と。 まれに隙間情報を狙い撃ちする素振り(風味)のメモや、コントも。

稲荷+最も偉い

 

 まぁ、そういう検索クエリで来た人がいるようなので。

 その本題は続きの中に書くとして。
 誰なんだか……この「学問・文化・芸術」ジャンルの中に「スピリチュアル」なんてテーマ作ったのは。
 入れるなら「サブカル」か「謎」だと思うよ、それは。
 事実上「謎」ジャンルはほぼ(いわゆる)オカルトっぽいし。

 そりゃー、それとても文化だとは言い張れなくもないけれど、それを言うんだったらライトノベルでもアニメでもマンガでもゲームでも、つーかもうアダルトビデオでも何でもかんでも文化になるでしょーよ。

 
 

 えーっと。
 まずは、稲荷(≒荼吉尼天)と妖怪の狐・霊狐とを混同しちゃいませんか?

 まずは枝葉の荼吉尼天(だきにてん)について。
 荼吉尼天って狐などではねーですよ?
 元々は女夜叉(ヤクシー:Yaksi、またはヤクシニー:Yaksini)ですからね。
 仏像(仏じゃねーですけど)なんかを見てみると、吉祥天や弁財天なんかと似た雰囲気の天女形の像であることが殆どです。
 まぁ牙とかが生えてたりする時もあるけどさ。夜叉だから。
  あと、ついでに……髑髏を携える、(ほぼ)全裸で非常に肉感的な女性とゆー場合も。まず見ることは無いでしょうけどね。私も実物は無いもん。

 そんで、元々は(日本流に言えば)鬼とか荒神とでも言うような夜叉が仏教に帰依し、そして守護神(=護衛役)の一となったのが八部衆の夜叉であり、また夜叉系出身の天部の神々もそれ。そんで、荼吉尼天もそのうちの一柱。
  この「守護神=護衛役」に関して補足しておくと。
  人間からみれば、あるいは人間を基準に考えると――神・守護神ってのは、偉いと言うのは妙ですけど、より上位に位置し人間には成し得ない様々な権能を有している、と見えかねないことでしょう。
  故に何の補足も無く「仏教の守護神」と言ってしまうと、まるで仏教・仏=如来を見守る、更に偉い存在……みたいに見えてしまいそうですが無論のこと違います。
  あくまで、守護を行なう存在(=神)というだけに過ぎません。

  それに「守護」という言葉自体も「念入りに守る」ってような意味で、立場・権能が上のものが下にいるものを守ることを指す「庇護」とは異なります。

  このように、この場合の「守護神」を現代の日本語の観念で置き換えると――警備・護衛役を務めている神、となるわけです。
  もっと言うなら、弟子がガードマンとか SP をやっている――とでも言う方が感覚的には解り易いかな。
  例えば、牛頭天王(ごずてんのう)も祇園精舎の守護神――要するに警備隊の隊長、あるいは守衛さんの班長ですよ。


 もっと遡るとヤクシニーってのは大地母神系の女神だったり、豊穣などを司る女神や精霊の類だったりするようですけど。
 故に、その絵や彫像なんかを見ると、もう「これでも食らえ!」ってな勢いで胸が強調されていることが多いんですね。なんか胸にマスクメロンが二つ付いちゃってるよ、みたいな。大玉スイカじゃなくて良かったね
 まぁ女性の(大きな)乳房ってーのは、シンプルに子孫繁栄とか、引いては豊穣なんかの象徴として捉えられることが多いですから、まぁ然もありなん。

 そりゃま、ぺったんこで痩せぎすな女が出てきて「五穀豊穣の女神である」とか言われても弱っちゃいますって。
 ……鶏がらの女神の間違いでは? いい出汁が取れそうですね――ってなもんです。

――明らかな配役ミスですよ。プロデューサー出て来い、こら。


 閑話休題。
 土着の神々やら精霊、また魔物などの一部をひっくるめたのが夜叉ってことで捉えておけば、概ね問題ないでしょう。
 で、荼吉尼天はその中の(割と)有力な一柱で女性形……と。
  この、神の存在数(?)を数え示す「柱」は「はしら」であって「ちゅう」とは基本的には読みません。
  なので当然「一柱」は「ひとはしら」と読みます。伝統的に。


 加えて、日本にある像では狐にまたがってるものが多いけれど、本来はジャッカルなんだそうな。
 荼吉尼天は、その眷属(≒使い・手下・従者)としてジャッカルを従えているわけです。
 しかし。
 日本にジャッカルはいないので、外見や特徴などが似ていて、また馴染みもあるキツネが代役に充てられたんだそーです。

 なるほど……適当に検索すれば写真も見られるでしょうけれど、確かにジャッカルってキツネに割と似てますよね。
 キツネに、少しオオカミやポインター(犬)なんかを混ぜたみたいな外見をしてる個体が割と多い。
 つっても、もちろん個体差はあるし、また種類によっても色々とありますけどね。
 セグロジャッカル辺りは毛色から言っても微妙ですが、これがキンイロジャッカル辺りだと、妙に脚の長いアカギツネに見えなくもないかも知れません。

  なお、ジャッカルって漢字では「野干」って書くわけですけれど。
  …… [野]=や : [干]=かん ……うーん……「や≒じゃっ」・「かん≒かる」かぁ。
  へぇ……この「野干」ってのは、元々は「悉伽羅」・「射干」と音訳されたものの訛り――なんだってさ(Wikipedia より)。
  更に言うと、一部の地域(国?)ではキツネのことを野干と呼ぶこともあったんだそうな。

  更に因むとジャッカルはアカギツネなどと同じく食肉目イヌ科に属しますが、なんと(?)イヌ属なんですねぇ。
  その多くが猛獣に指定されてる動物ですけれど。




 そんで一方の稲荷神。
 これも狐なんかじゃ無いんですけどねぇ。

 つーか……ああ、そうか。
 まぁ適当な文献でも Wikipedia でも当たってもらえば判ると思いますけれども、そもそも稲荷神って言うのは、神道における食物(穀物や食用の植物など)の神々のことを指します。
 有名どころでは、豊宇気毘売命(とようけびめのみこと)とか。
 でもまぁ、その中で最も偉いのが誰? って意味じゃないよねぇ、きっと。
 ……本当に無理矢理に強いて挙げるなら……豊宇気毘売命か宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)かなぁ。
 でも稲荷神の元祖と言うか本家と言うかは宇迦之御魂神だし、称号(?)も「神」だし……宇迦之御魂神の方が偉いかも。

 要は、まず当初「稲荷」ってのは宇迦之御魂神の別名・別称であり、それが普及していくにつれて、豊宇気毘売命を始めとする性格(役割)の似た神々をまぜていっちゃって現在に至るって感じですね。

 そんで。
 稲荷神の使いは狐やら霊狐(≒狐の妖怪)やらだったりで、また(当然?)宇迦之御魂神の眷属も狐だったりします。
 こーゆー部分が、誤認につながっていったんだろうね。

 それに。
 これは些かオカルトめいた話にもなりますが(確か類する民話っつーか伝承もあったように記憶してるけど)……単なる狐(の妖怪)でも何でも、別に神や仏の名を騙る・自称することはできますからね――例えば、ドブネズミ(の霊や妖怪)が自分のことを毘沙門天だとか自称できないワケじゃない、とか。
 西洋でも悪魔=堕天使が、神の使いだとか、あるいは神そのものだとか告げてくる伝承や話もありますよね。

 まぁその根拠や由来になったのであろう話などが、嘘か真か幻かは別にして……そういう逸話やら怪談やら何やらが(期せずして)混交して行ったって部分もあるのでしょう。

 そんで。どうやら、そういう稲荷(神)=狐、みたいな混同が始まったのは江戸時代の辺りだってさ。


 改めて申し上げておきますけれど。

 稲荷(神)ってのは神道における食物の神々を指していて、その稲荷神の神使が(主に)狐ちゃんたち。
 稲荷(神)=狐……ではありません。念のため。

  故に。
  きっと稲荷神=宇迦之御魂神の屋敷は、ちょっとした かのこん もとい 我が家のお稲荷さま。 もとい キツネ村のようになってることでしょう。
  ……いや、各地のキツネ村よりも遥かに大規模でしょう。きっと。
  冬なんて一同が冬毛になってるはずですから、キタキツネほどではないホンドギツネとはいえ、もうみんな、もこもこ・ふわふわ……でしょうねぇ。

  まぁ……春先とか秋なんかは、これまた別種のエライことになってるかも知れませんけどね。
  換毛期の掃除は大変そう。(:D)
  ウチも大変……って程でも無いけれど、相応に換毛がある動物がいるので多少は掃除などに気を遣いますよ。
  それでアカギツネ・ホンドギツネが数百・数千(?)もいる、となれば……うわぁーお。
  いや、それぞれ相応の霊狐なんだろうから、きっと自分たちの術とか何とかで綺麗に掃除しているに違いない。


 あと、まぁ一部の伝承等によれば。
 日本全国に稲荷社は多々ありますが、そのそれぞれの社を神使である霊狐が守っていたり駐在していたりする――と言う説もあります。
 簡単に言うと――各稲荷社には、それぞれに専属担当者とでも言うべき霊狐が存在していて活動している――というような説、って感じでしょうか。

 この説を採用した場合に、その神使または社のうちの、いずれが最も高位であるのか?――とか捉えるのであれば、この検索クエリも理解できなくは無いですが。
 しかし、これに(明快・明確な)解答があるか否かと考えると、これまた‥‥あるはずがない。
 ある程度、地域やら何やらを絞り込んで限定した上でなら答えが出る可能性はあるでしょうけどね。
  稲荷神/宇迦之御魂神の眷属の狐=霊狐の中で、最も偉いヤツは、その屋敷にいるんじゃないかな、たぶん。
  屋敷内を始めとした雑事なんぞを取り仕切る、執事めいたことでもやってるんじゃないかなぁと思いますよ。たぶんね。あくまで憶測・想像



 因みに。
 諸説あって難しいですけど、妖怪の狐で最も偉いと言うと……天狐でいいんだったか、それともその上にいたっけなぁ、確かなんかいたような……ああ、そうか、空狐って天狐の上だっけ。
 まぁ、あんまり空狐は妖怪扱いされないけど。
 純粋な意味での狐の妖怪って言うと天狐が最上位だけど、狐出身の何かって捉えると空狐が最上位だね。

 一応、並べて書いとくかー。
 黒狐 → 銀狐 → 金狐 → 白狐 → 九尾狐 → 天狐 (→ 空狐)
 こんな感じ。

 そんで一般に、歳月を経て権能/階級(?)が上がるにつれ、その尻尾の数も増えてゆく、と言われます。
 普通のキツネと同じ1本から始まって、最大が九尾狐の9本まで。
 しかし、そこから上となると今度は逆(?)に尻尾は減ってゆき、天狐では4本以下、空狐に至っては1本か0本となります。
 これは、より権能を増し、要は神に近付いてゆくに従って狐である(ことを示す)意味を失うから、とか言われています。

 ただまぁその諸説が曲者で、時には天狐と空狐が入れ替わって、空狐が天狐の下と言うような場合もあります。
 それ以外にも空狐は天狐を引退したものとか言う場合もあるから複雑。
 社長と会長みたいな関係でしょうかねぇ……だとしても、引退って言っても、権能が衰えるのか、はたまた衰えは無いのか、それとも衰えもあれど知識や経験で補える範囲なのか……これまた答えがあるようなものでも無いと思うので。
  因みに。
  最も有名な狐の妖怪・白面金毛九尾の狐を上述の階位に当てはめるとすると、当然ながら「九尾狐」に相当する悪狐ということになります。
  そんで悪狐の場合は、九尾狐に相当するところまでしか成長できない、とかって話もあります。

  ついでに言うと、上記の階位でも、銀狐と金狐が入れ替わったり、また一部は役割や性格が異なるだけで階位としては同等……みたいな説もあります。

  加えて、これ以外の説をいくつか挙げておくと。

  野狐 → 気狐 → 空狐 → 天狐
  地狐 → 天狐 → 空狐

 ――ややこしいこと、この上なし。
  まぁ、どれが正解とかってモノでもありませんからね……とりあえずむやみに列記しときます。



 なお、荼吉尼天と日本にある稲荷信仰とが結び付いたのも、これまた神仏習合が(主な)原因です。
 ついでに(?)それを一部の密教系の一派が布教活動に用いたってのも広く伝播することに寄与したのかな。

 なるほど、両者とも元々は五穀豊穣なぞを司る神々だったりするわけで、ついでにその眷属も割と似てるキツネとジャッカルだから、神仏習合の際に、同一視するのに色々ちょうど良かったのかも知れないね。
 ついでに言えば、宇迦之御魂神は一般的には性別不詳(=明言されていない)ですけど、一部(?)では女神であると言われることもありますから、だとすると、これまた宇迦之御魂神と荼吉尼天との符合率が上がりますね。


 最後に。
 他のエントリでの基準と同じく――生物としてのものを指す場合はカタカナ、文化的なものなどを包括している場合は漢字……として表記を意図的に区別していますので念のため。
 まぁジャッカルなんかはカタカナでしか書いてないですけどね。

 あと――キツネ、また稲荷神や霊狐のことなどについて、他のエントリでも色々と書いていますので、もし興味がありましたら……右側にある「ブログ内検索」のボックスなんかを使ってみて下さいませ。
 何ぶん、いくつかのカテゴリに分散しているので。

 

テーマ:宗教・信仰 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/01/05(土) 00:11:22|
  2. 神話・伝承・宗教・掩蔽
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 時に、口調や文体が微妙に適当だったりする場合がありますが、仕様ですね。保証期間も切れてますし、どうにもなりませぬ。諦めてください。
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